(最終更新は 2024年 4月12日)
1927(昭和2)年に、日本とアメリカですてきな交流がおこなわれました。
日本のひな祭りをめざして、アメリカから12000体以上の「青い目の人形」が届き、
その年のクリスマスに間に合うように、日本から58体の「答礼人形」が贈られました。
この人形たちは今も、たくさんの人たちをつなげ、友情と平和を伝えています。
三重県には200体の「青い目の人形」(友情人形)が贈られて、9体が現存します。
そして、ネブラスカ州立博物館では答礼人形「ミス三重」が大切に保管されています。
「ミス三重」は2009~2010年に三重に里帰りして、45000人の方に歓迎されました。
そして2017年夏に2度目の里帰りをして、15000人の方に見て頂けました。
2027年は人形交流100年。それを目ざして、地道に活動を続けていきます。
「人形交流は人間交流」
97年に及ぶ素晴らしい人形交流についてお伝えできればと思います。
ネブラスカの佐藤まどかさんから、レポートを頂きました。たくさんの取り組みの画像も送って下さいましたので、ご紹介します。
三重の皆様、
あっという間に4月に入りましたが、お元気でいらっしゃいますか?
今学期も節分やバレンタイン、ひな祭りやお花見などイベントが多く、時間が過ぎるのがあっという間です。
リンカーンでは雪の多い冬がようやく終わりました。1月には20cmの積雪のため公立校と大学の閉鎖が続き、最低気温がマイナス28度まで下がる日もありました。
運転も歩行も困難な状態の日が多く苦労しましたが、雪に覆われたキャンパスはとても美しかったので写真を添付します。
本日はお花見のイベントを開催しました。おにぎりを作ったり、抹茶を楽しんだり、折り紙を折ったりしながらキャンパス内で春の訪れを皆で祝いました。
日本は桜が満開の季節ですね。UNLでは来月で春学期も終わり、あっという間に長い夏休みが
始まります。厳しい暑さが始まる前に、皆様も暖かい春を楽しまれてください。
川崎文庫ディレクター佐藤まどか
佐藤さん どうもありがとうございました。
5月から夏休みってすごいなと、毎年思います。州立ネブラスカ大学リンカーン校にある、日本文化を伝える拠点「川崎文庫」での多彩な活動もすばらしいです。またお便りをお待ちしています。
佐藤さんから送って頂いた、川崎文庫の活動の様子をご紹介します。
なお4月下旬に、川崎文庫さんに12回目の本のプレゼントをする予定です。発送は4月25日(木)を予定しています。日本の本なら、どんな本でももらって頂けますが、今の日本のことがわかる小説や雑誌などが歓迎してもらえます。プレゼントに協力して頂ける方は、20日頃までにこのウェブページのメッセージ欄、または岩脇までご連絡下さい。
三重県内の人形所蔵校・施設を今年度も早いうちに訪問してつながります。その時にいつもプレゼントを持って行きますが、今回は人形交流の下敷きのバージョンアップにしました。
一昨年にプレゼントした下敷きは片面でしたが、今回は両面印刷にしました。
一面は一昨年と同じ「青い目の人形」と「ミス三重」ですが、新町小学校の人形に「ミライ(未来)」という名前をつけてもらったので、それを加えました。もう一面は22年9月に訪問したネブラスカの「ミス三重」とミズーリの「ミス兵庫」(三重子)をまとめました。
各学校・施設に喜んでもらえたら嬉しいです。
吉德の青木さんからの情報です。
山形県の西里小学校6年生23人が、河北町国際交流協会の佐藤朱美さんや校長先生から、人形交流について学習しました。
西里小学校に贈られた「青い目の人形」を題材にして作られた『白鳥になった人形』では、人形は沼に沈められ、やがて白鳥になります。
この日は、同町立谷地中部小学校で大切にされている「青い目の人形」メリー・フランセス・シャーマンも授業に登場したそうです。
青木さんによれば、山形県内に現存する「青い目の人形」は11体、ギューリック3世ご夫妻から贈られた「新友情人形」は16体だそうです。いつか会ってみたいですね。
神奈川の藤崎健一郎さん、奈良の末吉洋文さんからの情報です。
長崎県島原市立第一小学校には、1927年に贈られた「青い目の人形」リトル・メリーと、ギューリック3世ご夫妻が2005年に贈られた「新友情人形」ジョアンナが大切にされていますが、布製の人形ベッツィーが新しく贈られました。
ベッツィーは、オハイオ州ウィルミントンの市民から、人形交流の研究をされている宮崎広和さん(ノースウエスタン大学教授)を通じて「島原親善人形の会」に託され、第一小学校に贈呈されました。
ベッツィーに添えられたカードには、「私は愛を込めて作られました」「平和、希望、愛を届けにきました」と書かれているそうで、人形交流にぴったりです。
島原親善人形の会は24年3月20日~4月7日に、島原城観光復興記念館(島原市城内1丁目)で「青い目の人形~リトルメリーと仲間たち」を開催し、ベッツィーを加えて島原にある「青い目の人形」「新友情人形」6体を展示されました。
3月3日(日)に東京の王子にある渋沢史料館で、講座「かわいい、かわいい人形さん、ようこそ日本へ!~記録映像でみる日米人形交流『青い目の人形』~」が開催されました。
1927年に撮影され、2016年にシカゴで一部が発見された「Doll Messengers of Friendship」が
上映され、歓迎会に臨む渋沢栄一さんや贈られた直後の「青い目の人形」たちが鮮明に映っていて見応えがありました。
研究者の是澤博昭さん(大妻女子大)と副館長の川上恵さんが映像の細部を詳しく解説して下さったのも良かったです。
また、同館に寄贈された「青い目の人形」の可能性があるエファンビー社の人形も披露されました。
吉德の青木さんからの情報です。
ミシガン州のデトロイト美術館で答礼人形3体がそろう展示会が開催されています。
デトロイト子ども博物館(科学センター)で大切にされている答礼人形「ミス秋田」、オハイオ州コロンバス市のオハイオ歴史協会で大切にされている「ミス大阪府」、メリーランド州ボルティモア美術館で大切にされている「ミス広島」が一堂に会しています。
3体はそろって1988年の「青い目の人形交流展」で日本に帰っています。「ミス大阪府」はその翌年にも里帰りしています。
青木さんは「日米親善人形交流100周年に向けて、米国各地でも答礼人形展の企画が始まりました」とコメントされています。2027年に向けて、日本でも人形交流についての発信をしていきたいです。
なお、画像はすべて青木さんのフェイスブックよりお借りしました。どうもありがとうございました。